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1 RAID1モデルの特徴

概要

RAID1モデルでは、パソコン本体に内蔵された2台のIDEハードディスクをRAID1(ミラーリング)のアレイ構成にすることによりハードディスク上のデータを冗長化し、片方のハードディスクに故障が発生しても他方のハードディスクによりデータを保護するなど信頼性を向上させています。

■ ディスクアレイ(RAID)

ディスクアレイまたはRAID(Redundant Array of Independent Disks)は、RAIDコントローラと複数のハードディスクを用いることによって、単体ハードディスクよりも信頼性を向上させるシステムです。各ハードディスクに対するアクセスはRAIDコントローラによって制御されます。また、1台のハードディスクに故障が発生しても、データを保護することができる、といったいわゆる冗長性を持たせることができます。

ディスクアレイにはドライブへのデータ格納方式によりいくつかの種類がありますが、RAID1モデルでは、全く同じデータを2台のハードディスクに二重化して書き込むRAID1(ミラーリング)のみをサポートします。これによって1台のハードディスクが故障しても、もう一方のハードディスクのデータの損失を防ぎ、データを保護することができます。ミラーリングによる冗長性で高信頼性を実現するために、実際に使用できる容量はハードディスク1台分の容量となります。

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重要

■ ディスクアレイの状態

ディスクアレイには次の3種類の状態があります。

□ Functional(正常)

ディスクアレイが正常に稼働している状態です。

□ Critical(危機)

ディスクアレイが1台のハードディスクの故障により、冗長性のない状態で稼働している状態です。故障したハードディスクをできるだけ早く交換し、ディスクアレイをFunctional状態に修復する再構築作業(Rebuild)を行う必要があります。

□ Offline(オフライン)

ディスクアレイが稼働していない状態です。ディスクアレイ中の2台のハードディスクがともに故障した場合に発生します。この場合、ディスクアレイ中のデータは保証されません。
ポイント

■ ディスクアレイの作成と初期化

ディスクアレイを使用する場合、ディスクアレイの作成、およびディスクアレイの初期化処理を行う必要があります。ディスクアレイの作成・初期化手順は「ディスクアレイの作成・初期化 (Auto Setup)」をご覧ください。

なお、ミラーリング構成のディスクアレイの初期化処理は、一方のハードディスクから別のハードディスクに全データを複写する二重化処理によって行います。二重化処理については「二重化処理」をご覧ください。

重要

■ ディスクアレイの修復(Rebuild)

ディスクアレイ中の1台のハードディスクが故障すると、ディスクアレイはCritical(危機)状態となり、さらにディスクアレイ中のもう1台のハードディスクが故障すると、ディスクアレイはOffline状態になってしまいます。したがって、できるだけ早期にCritical状態のディスクアレイをFunctional状態に修復する必要があります。
ディスクアレイを修復するためには、まず故障したハードディスクの交換が必要です。

故障したハードディスクを新しいハードディスクと交換する場合は、「ハードディスクの交換」をご覧ください。

新しいハードディスクに交換した後、再構築(Rebuild)と呼ばれる、ハードディスクを再度冗長化する作業が必要になります。

ミラーリング構成のディスクアレイの再構築は、二重化処理によって行います。二重化処理とは、正常なハードディスクから交換したハードディスクに全てのデータを複写する処理です。再構築手順については「ディスクアレイの再構築(Rebuild Array)」、二重化処理については「二重化処理」をご覧ください。

なお、ハードディスクの交換および再構築が完了するまでは、ディスクアレイはCritical状態となります。

■ 二重化処理

ディスクアレイの初期化や修復にともなって、一方のディスクから別のディスクに全データを複写する二重化処理が必要となります。二重化処理には次の2通りの方法があります。

□ FastBuild Utilityによる二重化処理

FastBuild Utility(Click)により、ディスクアレイを使用する前にハードディスクの二重化を行う方法です。ハードディスク全領域を複写するため、ある程度の時間が必要です。

□ バックグラウンド二重化処理

ディスクアレイの二重化処理をホストからの通常I/O処理と並行して実施する方法です。FastBuild Utility上での二重化処理中に、パソコン本体の再起動、または電源切断によって二重化処理を中断すると、OS起動後に自動的にバックグラウンドでの二重化処理が実施されます。FastBuild Utility上での二重化処理の終了を待つ必要はなくなりますが、次の点に注意してください。
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